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【イケカコをエクセルで】#1CVP分析

先制パンチがだいぶ効き、「1次」の自己採点など時間ロスでしかない、と気づいた方が多い頃。このように、過去の合格者が自分の追体験させようとやたら何かオススメするのが、「2次」ブログ特有のタイムロス攻撃。十分な注意を呼び掛け、予告通りに「挑戦」開始。

Q:従来(特に過年度生)の「事例Ⅳ」指導、学習の誤りを5つ挙げ、それぞれ対策を述べよ。

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A:

①問題集を回転し、解き方を覚える学習に終始。

②?

③?

④?

⑤?

本日8/8(月)から「イケカコをエクセルで」を5連投。これは主に初学スト生、また従来の学習姿勢の誤りを認めた多年度生を対象に、コロンブスの卵的な「事例Ⅳ」対策の提案。


コロンブスの卵=革新は既得権者から否定、嫌がられるから、現状問題の指摘→改善案のQCストーリーで対抗。では今日はトップバッター①を説明。


■誤り①:問題集を回転し、解き方を覚える学習に終始■

現状の把握
→診断士「1次」は知識試験=問題集回転での暗記が有利。
だがその延長で「財務」をやり、見たことのある問題なら解ける受験生が続出。

解析
→解き方体得しても理解が弱く、初見問題に解法を適用する力を欠く。
対策の立案
イケカコを問題集でなくテキストとして使い、論点の意図・用途を理屈で補う
対策の実施
→エクセル解きをやる、やらないは自己判断で自己責任。

変な所で安心してよいが、「財務」「事例Ⅳ」が苦手な場合、それは自分のせいでなく、教え方が悪いせいと開き直ってOK。

新しい問題に触れることで、その問題のパターンを押さえる、知識を増やすという学習は、出題可能性の低い部分の知識を増やしているだけである。そのパターンに合致した場合はうまくいくが、往々にして、そうはならないだろう。それは、財務会計で取り扱う論点のパターンに比べて、管理会計で取り扱う論点のパターンが膨大なため、すべてに対処することは不可能であるからである。

会計人コース 2013.9 脱マル暗記講座 から引用


さらに悪いのは、イケカコを問題集として数回転させる学習法。1年かけ実力UPと勘違いするのは構わないが、そんなゆっくりペースは実務で通用しない。「イケカコ=問題集」の思い込みで、昨年筆者も電卓使用で5週かけたが、答え見ながらエクセルで解けば1週間もかからない。


■#1CVP分析~事前知識■


イケカコもくじイケカコ「要点整理」
1全部⇔直接原価計算B
★★☆
★☆☆
★☆☆
★★☆
.
全部直接原価計算の違い
直接原価計算の利点
営業利益の違い
固定費調整
2CVP分析(基礎)S
★★★

★★☆
★★★
★★☆
★★★
.
CVP分析とは
固変分解
CVP図表
目標利益等達成売上高
CVP分析に関連した指標


当論点のベースは簿記。以下Lecture1, 2の要点を、表の形でまとめ。

①原価の分類
②原価計算の種類
③全部⇔直接原価計算
④仕掛品・製品勘定(BOX図)
⑤CVP分析

要点は上記5つ。これを各例題・問題で以下の様に学ぶ。


原価の分類

原価計算の種類
固変分解

全部⇔直接
原価計算
損益計算書

仕掛品・製品
(BOX図)

CVP分析
§1
例題1
問1
問2○理論
§2
例題1
例題2
問1◎目標売上
問2◎感度分析

①原価の分類

②原価計算の種類

個別総合
実際標準
全部直接

原価計算は上記の6種類。CVPで扱う直接原価計算出題は、同時に総合・標準原価計算の知識も問う(後述)。ここを絡ませて難易度を上げるのが「Ⅳ」の常套手段。

③全部⇔直接原価計算の損益計算書

まず損益計算書を書き、見比べる(イケカコ P.2)

全部原価計算..直接原価計算
売上高S売上高S
売上原価C変動費V直接材料費DM
変動加工費VK
変動販売費S
売上総利益GM貢献利益CM
販売管理費S固定費F固定加工費FK
固定販売費FS
営業利益OI営業利益OI

全部原価計算は、原価・販管費を各々集計し、営業利益を計算すればOK。直接原価計算(CVP分析)は、利益計画策定や予実比較、つまり固定費をどれだけ回収し、どれだけ儲けたかを知るのに使う。

この時、計画作りをしたいので、変動費Vは実際原価でなく標準原価を使うのがミソ。この文の意味がわかればCVPスラスラレベル。

④仕掛品・製品(ボックス図)

期首・期末に在庫がある場合、ボックス図を使って解くのが総合原価計算の特徴。だが診断士「財務」「Ⅳ」はここを教えない。簿記2級以上が有利と言われる根拠がここ。

⑤CVP分析

CVP分析で問われるコトはごく単純。ではなぜほぼ毎年出題し、かつ受験生の点数がバラつくか。それを忖度するのが短期合格センス。

.
■エクセル開始■

<Lecture 1>

例題:一見簡単に見え、原価分類・総合原価計算・直接原価計算によるPL・仕掛品勘定を幅広く問う総合問題。初学者はまずここでうんざりするが、慌てない。

問題1:多数の条件が与えられるが、「例題」解いた直後にやれば、「月末月初在庫に含まれる固定製造原価を求めるだけ」と気づく。このショートカットが大事(後述)

問題2:理屈。やらなくて良いが、やれば身に付く。

<Lecture 2>

例題1:高低点法・最小二乗法による固変分解y=ax+bの問題。(問1)は計算過程が端数になっても、そのまま解く。(問2)は診断士試験には出ない。やたら難しいが結果はほぼ同じと解って安心。

例題2:CVP分析の王道論点。ちゃんと解く。

問題1:王道論点にいろんなおまけがつく総合問題。「Ⅳ」はこのレベルを出題し、受験生の点差がつく。

問題2:条件(1)で原価率・額の与え方を変え、条件(2)で感度分析。診断士受験生では歯が立たず、逆にこのレベルで訓練積むと荒稼ぎ。なお「多桁式予算」はいわゆるびっくり箱要素。


■参考:イケカコの難しさ■

イケカコを最初に解いて感じるのは、「やたら難しい」。

その理由は以下。

①計算結果が端数になる。 →意図的
②与えられる計算条件が複雑怪奇。→意図的
③1次「財務」の知識だけでは解けない。→天然

①②は意図的。1次「財務」マークの如く適当に選べば当たる、を許容しないのが、会計士試験の世界。逆に初見では解けないと割り切り、解答見ながら計算過程をトレースすればOK。

③は天然。意思決定会計とは要するに「簿記1級」。つまり「簿記2級」原価計算の知識が前提。従い不明点はどんどん先送りし、後から戻ってやり直す。

.
■今日のまとめ■

意思決定会計と言っても、所詮「簿記1級」のつまみ食い。出題範囲は有限。

「簿記1級」への手出しは不要。だが周囲の「解き方を覚える学習」と決別し、問題集高速回転で知識のつながりを磨くのが、「事例Ⅳ」荒稼ぎスタイル。では第1回まとめ。

・最初は原価の分類。CVP分析では、変動⇔固定の分類が大事。
・固変分解は高低点法。総合問題の中で変動費率の計算出題あり。
・直接原価計算の損益計算書は、自力で書ける様にする。
・仕掛品・製品勘定BOX図が原価計算の基礎。だが「Ⅳ」では出ない。
・CVP分析が「Ⅳ」の花形。だが縁の下の力持ちの他論点も重要。

byふうじん

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by dojonagoya | 2016-08-08 18:00 | 中小企業診断士試験

中小企業診断士一発合格道場からスピンアウトした6代目とその仲間たちのブログです。


by 中小企業診断士一発合格道場 6代目