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【写経やってみる】H27事例Ⅰ

写経をするとどんな効果がありますか?
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え、それは心が無に近づくと、作問者の思いが手に取るが如く伝わり、使って欲しい根拠が浮かびあがっ・・・ふがふが。

おっと、余計な台詞はそこまで。写経効果とは、人それぞれが「自分で」掴み、また次の写経へと「自分で」高めるもの。とはいえ、最入門編として「根拠⇔設問の紐つけ」に筆者もトライ


■写経の作法(例)■

(1)道具を揃える
・問題文、問題本文
・・PDFでダウンロード可
・模範解答、解説 ・・手持ちの過去問題集で可
・Excel、Word

(2)手順
①問題文を写経
・・Excelを使うと、後で属性・配点などの分析が可能
②問題本文を写経 ・・Wordが好適
③模範解答から、問題本文の該当根拠にマーキング
※今回の参考として主に「速修2次過去問題集」(山口正浩他、早稲田出版)を使用
④そこから先の自問自答
※時間ないときは、問題本文はPDFコピペ、問題文のみ写経、などのショートカットOK。でもショートカットするほど効果が半減。



■写経例:H27事例Ⅰ■
◆問題文◆

第1問 (100字、20点 現在、「特性」考察、難易度:易)
ゲートボールやグラウンドゴルフなど、A社を支えてきたスポーツ用品事業の市場には、どのような特性があると考えられるか。100字以内で述べよ。

★「抜き」が基本ながら、本文根拠が多様なため、O機会・T脅威に切り分けて上手くまとめる。

第2問 (120字、20点 過去、「理由」考察、難易度:易)
A社は、当初、新しい分野のプラスチック成形事業を社内で行っていたが、その後、関連会社を設立し移管している。その理由として、どのようなことが考えられるか。120字以内で述べよ。

★第5段落に「事業に対する考え方そのものが異なる」と明示済。あとは「技術の差」「新規事業への専念」など、根拠を一般知識の枠で上手くまとめる。

第3問 (100字、20点 現在、「可能性」考察、難易度:高)
A社および関連会社を含めた企業グループで、大型成形技術の導入や技術開発などによって、プラスチック製容器製造事業の売上が60%を占めるようになった。そのことは、今後の経営に、どのような課題を生み出す可能性があると考えられるか。中小企業診断士として、100字以内で述べよ。

★課題は類推するしかない。当たらなくても、「課題に答えたフリ」が必要。

第4問 (100字、20点 現在、「理由」考察、難易度:中)
A社および関連会社を含めた企業グループで、成果主義に基づく賃金制度を、あえて導入していない理由として、どのようなことが考えられるか。100字以内で述べよ

★成果主義の一般的メリ・デメ知識を思い浮かべ、「短期業績は安定だが市場自体の盛衰に影響」「継続雇用を重視」などで無難にまとめる。

第5問 (100字、20点 将来、「留意点」助言、難易度:中)
A社の健康ソリューション事業では、スポーツ関連製品の製造・販売だけではなく、体力測定診断プログラムや認知症予防ツールなどのサービス事業も手がけている。そうしたサービス事業をさらに拡大させていくうえで、どのような点に留意して組織文化の変革や人材育成を進めていくべきか。中小企業診断士として、100字以内で助言せよ。

★将来への助言となる第5問は例年難しいが、第8~9段落に根拠が集中し、「サービスマーケ」「外部連携」「組織学習」「部門間人材交流」等のキーワードは浮かぶ。あとは時間と編集力の戦い?
ご協力のお願い
上記★マークは、既存書籍類を参考に、筆者が抜き書きした回答方針案。「俺の回答方針の方が良いぜ」「まだまだ今イチ。俺が一肌脱いでやる」方があれば、コメント欄にご記入頂けると幸いです。原則そのまま文中に掲載いたします。
☆皆が力を寄せてこそのオープンイノベーション☆

◆問題本文◆
以下本文のハイライト箇所は、それぞれ設問との対応を示す。
なお「これで決定!」ではなく、追加修正アイデアを承ります。
第1問水色第2問緑色第3問黄色第4問桃色第5問紫色

【第1段落】 概要 3⃣4⃣
A社は、1950年代に創業された、資本金1,000万円、売上高14億円、従業員数75名(非正規社員含む)のプラスチック製品メーカーである。1979年に設立した、従業員数70名(非正規社員含む)のプラスチック製容器製造を手がける関連会社を含めると、総売上高は約36億円で、グループ全体でみた売り上げ構成比は、プラスチック製容器製造が60%、自動車部品製造が24%、健康ソリューション事業が16%問である。ここ5年で見ると、売上構成比はほとんど変わらず、業績もほぼ横ばいで推移しているが、決して高い利益を上げているとはいえない。

【第2段落】 昔話 1⃣
A社単体でみると、その売上のおよそ60%を自動車部品製造が占めているが、創業当初の主力製品は、プラスチック製のスポーツ用品であった。終戦後10年の時を経て、戦後の混乱から日本社会が安定を取り戻し、庶民にも経済的余裕が生まれる中で、レジャーやスポーツへの関心が徐々に高まりつつあった。そうした時代に、いち早く流行の兆しをとらえた創業者が、当時新素材として注目されていたプラスチックを用いたバドミントン用シャトルコックの開発・製造に取り組んだことで、同社は誕生した。

【第3段落】 成長期 1⃣
創業当初こそ、バドミントンはあまり知られていないスポーツであったが、高度経済成長とともに、創業者のもくろみどおりその市場は広がった。その後、同社のコア技術であったプラスチックの射出成形技術(加熱溶融させた材料を金型内に射出注入し、冷却・固化させることによって、成形品を得る方法)によるシャトルコックの製造だけでなく、木製のラケット製造にも業容を拡大すると、台湾にラケット製造の専用工場を建設した。

【第4段落】 経営危機 1⃣2⃣4⃣
しかし、1970年代初めの第一次オイルショックと前後して、台湾製や中国製の廉価なシャトルコックが輸入されるようになると、A社の売上は激減した。時を同じくして、木製ラケットが金属フレームに代替されたこともあって、A社の売上は最盛期の約70%減となり、一転して経営危機に直面することになった。どうにか事業を継続させ、約40名の従業員を路頭に迷わせずに済んだのは、当時バドミントン用品の製造・販売の陰で細々と続けていた、自動車部品の受注生産やレジャー用品の製造などで採用していたブロー成型技術(ペットボトルなど、中空の製品を作るのに用いられるプラスチックの加工法)があったからである。そして、その成形技術の高度化が、その後、A社再生への道を切り開くことになる。

【第5段落】 A社社長の苦労話 2⃣3⃣
A社の経営が危機に陥った時期、創業者である父に請われてサラリーマンを辞めて、都市部から離れた生まれ故郷の農村に、A社社長は戻ることを決意した。瀕死状態のA社の事業を託されたA社社長は、ブロー成型技術の高度化に取り組むと同時に、それを活かすことのできる注文を求めて全国を行脚した。苦労の末、楽器メーカーから楽器収納用ケースの製造依頼を取りつけることができた。自社で開発し特許まで取得した新しい成形技術を活かすことができたとはいえ、その新規事業は、技術難度はもちろん、自社ブランドで展開してきたバドミントン事業とは、事業に対する考え方そのものが異なっていた。そこで、再起をかけてこのビジネスをスタートさせたA社社長は、当初社内で行っていた新規事業を、関連会社として独立させることにした。

【第6段落】 スポーツ用品事業の再生 3⃣
こうして本格的に稼働した新規事業は、A社社長の期待以上に急速に伸長し、それまで抱えてきた多額の借入金を徐々に返済できるまでになり、次なる成長事業を模索する余裕も出てきた。そこで、A社社長が注目した事業のひとつは、同社の祖業ともいうべきスポーツ用品事業での事業拡大であった。ターゲットにしたのは、1980年頃認知度が高まりつつあったゲートボールの市場である。ゲートボール用のボールやスティック、タイマーなどで特許を取得すると、バドミントン関連製品の製造で使用していた工場をゲートボール用品工場に全面的に改装し、自社ブランドでの販売を開始した。少子高齢化社会を目前に控えたわが国でその市場は徐々に伸長し、A社の製品が市場に出回るようになった。しかし、その後、ゲートボールの人気に陰りがみられるようになったため、次なるスポーツ用品事業の模索が始まった。

【第7段落】 業績の安定化 1⃣3⃣
もっとも、その頃になると、自動車部品事業拡大を追い風にして進めてきた成形技術の高度化や工場増築などの投資が功を奏し、バスタブなどの大型成形製品の注文を受けることができる体制も整って、A社グループの経営は比較的順調であった。また、新規事業を模索していたスポーツビジネスでは、シニア層をターゲットにしたグラウンドゴルフ市場に参入し、国内市場シェアの60%以上を占めるようになった。

【第8段落】 ドメインの再定義 5⃣
2000年代半ばになると、地元自治体や大学との連携によって福祉施設向けレクリエーションゲームや認知症予防のための製品を開発し、福祉事業に参入した。さらに、ゲートボールやグラウンドゴルフなどシニア向け事業で培ってきた知識・経験、そしてそれにかかわるネットワークを活用できることから、スポーツ関連分野の事業全体を健康ソリューション事業と位置付けた。健康ソリューション事業では、シニア層にターゲットを絞ることなく、体力測定診断プログラムなどのソフト開発にも着手し、サービス事業を拡大して、グループ売上全体の16%を占めるまでに成長させたのである。

【第9段落】 4⃣5⃣
こうして経営危機を乗り越えてきたA社では、A社社長が社長を務める関連会社を含めて、従業員のほとんどが正規社員であり、非正規社員は数名に過ぎない。グループ全体の事業別従業員構成は、プラスチック製容器製造が70名、自動車部品製造が35名、健康ソリューション事業が40名である。近年になってボーナスなどでわずかに業績給的要素を取り入れつつあるが、給与や昇進などの人事制度は、ほぼ年功ベースで運用されている。


◆解答(回答)◆
省略。ご自身手持ちの問題集または再現答案をご利用ください。

■今日のまとめ■
当記事は「写経」を目的とし、模範解答や根拠の対応付けは、あちこちのWebやそれらしい参考書から拝借。「事例Ⅰ」をやってみると、
  • 上手に根拠を振り分けてるなぁ・・と思うと同時に、
  • A社社長は自社への思い入れが強く、どうも話の前半は「昔話」「マーケ」「技術論」など題意と無関係な与太話(ダミー根拠)が多いとも気づく。
この時、「マーカー」「アンダーライン」「SWOT」「解答の一貫性」に夢中な上級者を横目に、(鵜呑みは禁物ながら)予想して読む(=サッと読み、スッと考え、パパッと書く)」ことで、平気で根拠を使い残すのも、スト生のイカサマ回答術のひとつ。

当試験、書く答案は同じ人並みながら。手順まで人並み外注化すると、そこを狙い撃たれて合格率20%。だから合格率を上げたければ、人並みノウハウ蹴っ飛ばし、回答プロセス位は絶えず「自分で」工夫改善。ではまとめ。
・当記事は、「写経効果」の一つとして、根拠⇔問題の対応付けを紹介。
・この色付けは、「強み」「弱み」等でなく、第1~5問との対応を示す。
・第1~3問は幅広い段落に根拠、第4~5問は一部段落に根拠。これに知識を足して回答。
・作問者にも固有の癖。数年分見比べると傾向が読み取れることがある。
byふうじん
オープンイノベーションでミライを変える。

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by dojonagoya | 2016-09-27 05:03 | 中小企業診断士試験

中小企業診断士一発合格道場からスピンアウトした6代目とその仲間たちのブログです。


by 中小企業診断士一発合格道場 6代目