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【写経やってみる】H26事例Ⅱ

この試験、もしかして「難しくない」のでは?

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当「写経」シリーズの意図は、受験生の7割が合格実力に達し、もう書くネタがないから。でも「次は200連投」を宣言した以上、何かやって時間をつぶす必要がある。

仕方ない、問題本文の写経でもやってみるか。

さて写経やってみると作問者の意図に触れ、折角作ったテキストを使い「設問との対応」を色付けしてみたくなる。そして色付けすると、確かに問題本文の根拠⇔設問は対応している。
※なおどうひっくり返しても根拠と対応しないのが、難問Dランク。

つまり手品と同じで、

問題を解こうとすると難しいが、答えを知って問題読むと難しくない。

071.gifえーい、書いちゃえ。070.gif
問題本文における根拠のバラまき方の作問者のクセ(パターン)を掴むと、
いざ本番で、使って欲しい根拠(+1次知識)が浮き上がって見える。
これ試験テクニックとして相当なイカサマ。でもビジネス実務において、「相手の思考パターンを読み」「趣味や家族構成を下調べ」「話を合わせる」位は社会人なら当たり前。そして当試験、当たり前のことをやれば当たり前に合格。

少なくとも、神羅万象・千変万化のビジネス実務を「虹色の蛍光ペン」「秘伝のスーパー解法フロー」に当てはめこねくり回すより、実務に役立つことだけは確か。では今日はH26事例Ⅱ。


■写経の作法(例)■

(1)道具を揃える
・問題文、問題本文
・・PDFでダウンロード可
・模範解答、解説 ・・手持ちの過去問題集で可
・Excel、Word

(2)手順
①問題文を写経
・・Excelを使うと、後で属性・配点などの分析が可能
②問題本文を写経 ・・Wordが好適
③模範解答から、問題本文の該当根拠にマーキング
※今回の参考として主に「速修2次過去問題集」(山口正浩他、早稲田出版)を使用
④そこから先の自問自答
※時間ないときは、問題本文はPDFコピペ、問題文のみ写経、などのショートカットOK。でもショートカットするほど効果が半減。


■写経例:H26事例Ⅱ■
◆問題文◆

第1問(40字、60字、25点 過去、「PPMフレーム」判定、難易度:易)
B社は創業以来、複数の商品を展開しながら今日まで存在し続けている。「2004年時点」と「2014年時点」のそれぞれにおけるB社の各商品が、下図のプロダクト・ポートフォリオ・マネジメントのフレームのどの分類に該当するかを当てはまる分類名とともに記述せよ。「2000年時点」については(a)欄に40字以内で、「2014年時点」については(b)欄に60字以内で、それぞれ記入すること。なお「相対シェア」は、市場における自社を除く他社のうち最大手と自社のシェアの比をとったものとする。また、市場の範囲はX市内とする。

★事例ⅡでPPMは既にお約束。時制×商品のマス目を書き、【第2、3、4、8段落】から「市場シェア」「市場成長率」の根拠を拾う。PPMのフレーム名を度忘れしここで出鼻を挫かれる=心が折れることで作問者がニンマリ。

第2問(100字、25点 過去+将来、「戦略」助言、難易度:中)
B社は現在、介護付きツアーにより、一度離反した顧客を再び顧客とすることに成功しつつある。現社長は次に、介護付きツアーの新規顧客獲得を目指している。そのためのコミュニケーション戦略として、SNSサイト上で介護付きツアーの画像や動画をプライバシー侵害のない範囲で旅行記として紹介している。しかし、要支援・要介護の高齢者本人にはあまり伝わっていないことが明らかになった。この状況を勘案し、新規顧客獲得のための新たなコミュニケーション戦略を100字以内で述べよ。

★定番のSTPフレーム「誰に」「何を」「どのように」、の3つが回答要素。
  • 誰に→【第5段落】出かけなくなった高齢者。
  • 何を→【第5段落】好きだったB社さんのツアー+【第2段落】全社長の知識や話術を吸収した新入社員。
  • どうやって→【第2段落】口コミ、【第7段落】ダイレクトメールあたり。
これらを根拠にもっともらしく書けばOK。

第3問(100字、120字、30点)
以下の表は、顧客データベースから算出された介護付きツアーのデシル分析の結果である。これは、顧客リストからランダムに抽出された100世帯の3年分の利用実績データを集計したものである。集計は1世帯単位で行われている。商品は3泊4日の国内ツアーのみであり、支援・介護レベルもほぼ同一の顧客を対象としている。
デシル分析結果をもとに、下記の設問に答えよ。

(設問1 現在、デシル分析、難易度:中)
デシル分析結果から、B社の売上の構造はどのような状態にあるか、数値を用いて説明せよ。その上で現在の重要顧客層を特定し、併せて100字以内で述べよ。

★「デシル」が不明でも「ABC分析」ならわかる。③客単価が同じ、③1世帯あたり金額の違いを、(制約条件を逆手に)【第7段落】喜びの声と多数の参加申込書 →「好評でリピート回数増」「上位顧客集中」「介護付きツアーの比重増」までつなぐ。

(設問2 現在、デシル分析、難易度:中)
デシル分析結果から、上位顧客と下位顧客の総利用額金額の差がどのような原因によって生じているか、数値を用いて説明せよ。その結果から導かれるB社が戦略的にターゲットとすべき顧客増と併せて120字以内で述べよ。

★120字→4センテンス。③上に行くほど客単価微増、④世帯利用額激増だから、支援・介護レベルの高い方ほどリピート回数が多い、までは指摘可。ターゲットを上位⇔下位顧客どちらにするかの根拠が薄いので、一般知識「高すぎる上位集中度→下位顧客を伸ばす余地あり」で吉。

第4問(80字、20点 将来、「新商品」助言:難易度:中)
現社長は、介護付きツアーの客単価を高くすることを目指している。そのためには、どのような新商品を開発すべきか、もしくは既存商品をどのように改良すべきか。助言内容を80字以内で述べよ。
ただし、B社が単独で提供し、X市内の顧客に対して展開する商品に限定する。

★80字20点では、根拠を選ぶ精度を高め、確実に稼ぐ。設問文の制約条件から【第2段落】一般向けツアーの顧客に、【第3段落】(研修でなく)歴史狙いの海外ツアーあたりでまとめる。
ご協力のお願い
上記★マークは、既存書籍類を参考に、筆者が抜き書きした回答方針案。「俺の回答方針の方が良いぜ」「まだまだ今イチ。俺が一肌脱いでやる」方があれば、コメント欄にご記入頂けると幸いです。原則そのまま文中に掲載いたします。
☆皆が力を寄せてこそのオープンイノベーション☆

◆問題本文◆
以下本文のハイライト箇所は、それぞれ設問との対応を示す。
なお「これで決定!」ではなく、追加修正アイデアを承ります。
第1問水色第2問緑色第3問(1)黄色第3問(2)桃色第4問紫色

【第1段落】 B社の来歴と地域住民の高齢化
B社は、資本金1,500万円、従業員12名(パート含む)の旅行業者である。創業以来、X市内の商店街に1店舗を有している。X市は中小製造業とベッドタウンが混在する街である。現在は高齢者比率が高まっているベッドダウンの高齢化対応が地域課題の1つとなっている。B社の創業は1990念、創業者は前社長である。前社長はもともと県内の大手旅行会社Y社の社員であった。史学科出身の前社長は歴史に関する豊富な知識と話術で、Y社在籍当時から、添乗員付きパック・ツアーのガイドとしてツアー参加者から高く評価されていた。やがてY社の方針に縛られずにツアーを企画したいと希望するようになり、Y社を退職しB社を創業した。

【第2段落】 1⃣ 2⃣ 4⃣創業1990年代の成長と顧客支持
創業当時の主力商品は前社長が得意とする、国内外の添乗員付きパック・ツアー(以下、「一般向けツアー」という。)であった。当時は知名度の低さから顧客獲得に苦戦する時期がしばらく続いたが、商工会議所主催のX市名所巡りでガイドをボランティアで担当したことをきっかけに新規顧客の獲得に成功した。やがて高い評価が口コミで広まりX市内を中心に顧客が増大した。顧客増大と平行して根気強く社員教育にも力を入れ、新入社員をツアーに同行させ、前社長の知識や話術を吸収させた結果、前社長が添乗するツアー以外でも高い評価を獲得し、組織として高いリピート率を得ることに成功した。創業5年後に調査会社を通じて実施したX市内消費者に対する市場調査では、添乗員付きパック・ツアーの市場シェアがそれまでシェア1位であったY社を上回るに至り、2000年頃までその地位を維持し続けた。

【第3段落】 1⃣ 4⃣海外研修ツアーの好調
創業直後の1990年代前半は一般向けツアーで高い評価を得たB社であったが、創業時点で既に一般向けツアーの市場は徐々に縮小しつつあった。その中にあって新商品を模索する必要に迫られていたが、1990年代後半に企業からの要望に応じた添乗員付きの海外研修ツアー(以下、「海外研修ツアー」という。)を主力商品に加えることに成功した。きっかけは、一般向けツアーに参加したX市内の中規模小売業チェーンの人事部長から依頼された米国の小売店視察ツアーであった。前社長は当初「小売ビジネスに役立つようなガイドはできない」と難色を示した。それに対する人事部長の反応は「視察とバス内の意見交換だけでは時間が持たない。海外で見聞を広めたいという社員の本音もある。研修の時間以外はバスで歴史の話をして欲しい」というものであった。このように始まった海外研修ツアーは社員から高い評価を得て、口コミを通じてX市内の中小企業を中心に依頼が増加した。2000年頃にはX市内における中小企業の海外研修ツアー市場でシェア1位を獲得するに至った。

【第4段落】 1⃣ 環境変化と社長交代
このように創業からの10年間は順調に成長を続けてきたB社であったが、2000年を過ぎた頃から状況は徐々に変化し始めた。まず大手旅行会社によるパック・ツアーの低価格化、インターネット利用による宿泊先やチケットの予約の簡易化が進み、一般向けツアーの業績が悪化し始めた。さらに2008年9月のリーマンショック後には、それまでグローバル化の流れの中で海外研修を拡大させていたX市内中小企業の研修予算が大幅にカットされ、海外研修ツアーの依頼も減少した。両商品共にX市内市場における市場シェアで価格競争力に勝るY社を下回り、さらに市場規模の縮小が商品販売の悪化に拍車をかける結果となった。この結果を受け、自身の経営に限界を覚えた前社長は引退し、B社社員であった現社長に経営者の座を譲るに至った。

【第5段落】2⃣ 4⃣ 出かけなくなった高齢者
現社長は経営の見直しを模索し始めた。その中で、現社長はかつて高いシェア、リピート率を誇った一般向けツアーがなぜ苦戦し始めたかを調査した。先述の低価格化、簡易化で若年層離れが起きたことは感じ取っていたが、長期に渡りB社の顧客であった高齢層の離反について現社長は理由を理解しかねていた。かつての顧客に対する調査の結果、高齢層顧客は他社の低価格ツアーを利用したり、自分で宿泊先やチケットを予約しているわけではなく、第力的な問題でそもそも旅行に出かけづらくなっているという実態が明らかになった。一方で「行けるものなら好きだったB社さんのツアーにまた参加したい」という声も多数寄せられた。

【第6段落】 1⃣ 2⃣ 3⃣介護付きツアーに取り組み
これらの調査結果に基づき現社長はB社商品の見直しに着手した。一般向けツアーに関しては将来的な廃止を念頭にツアー回数を削減し始めた。また市場規模が回復する兆しが見えない海外研修ツアーも現状の取引がある企業にとどめ、新規開拓は行わない方針を決定した。一方で、現社長が開発に取り組んだのは高齢者向け介護付きツアー(以下、「介護付きツアー」という。)である。このツアーは歩行、食事、入浴、トイレなどに関して支援・介護が必要な高齢者を対象にした国内旅行限定の添乗員付きパック・ツアーである。なお、対象となる高齢者だけでなく、家族も参加でき、要支援・要介護の高齢者の場合は、旅行代金の他に支援・介護レベルによって料金が加算され、家族の場合は一般向けツアーとほぼ同額で参加できるという商品である。

【第7段落】 3⃣ 4⃣周到な準備と好調な反応
まず現社長と社員1名の2名で、介護に関する資格であるホームヘルパー2級の資格を取得し、商品開発に着手した。はじめは要介護の高齢者を含む1家族の添乗から開始し、次に数組の要介護高齢者と家族によるツアーを開催し、ノウハウを蓄積していった。並行して他の社員にも関連資格の取得を奨励し、また新しい商品に適した社員を採用し、安定的な商品供給体制の準備を進めた。そして、開発着手から1年後の2010年、正式な商品として販売を開始した。当該商品の販売開始時からダイレクトメールを発送したところ、高齢となったかつての顧客から喜びの声と共に多数の参加申込書が送付された。

【第8段落】 3⃣ 4⃣中小企業診断士への相談
2014年現在、B社のトータルでの顧客数は2000年当時に比べて大幅に減少しているが、介護付きツアーは高価格商品であることから客単価は大幅に向上し、その結果、売上高や利益は2000年頃の水準に回復しつつある。また、X市内消費者を対象とした直近の市場調査では、需要の動きをうまくとらえ先行して介護付きツアーを開始した企業には及ばないものの、市場シェアが迫りつつある。このように業績は回復傾向にあるとはいえ、B社は介護付きツアーの新規顧客獲得や、導入したものの活用が進んでいない顧客データベースの活用などの課題を抱えている。現社長はこれらの課題に対するアドバイスを求めるため中小企業診断士に相談することにした。

◆解答(回答)◆
省略。ご自身手持ちの問題集または再現答案をご利用ください。

■今日のまとめ■
「写経」シリーズでは、写経結果のテキストを使い、副産物として「問題本文の根拠⇔設問」の対応を色付け。表の出題が増えたり、手が回らず上記は色付け残しが多いが、

あ、この根拠もあの根拠も、もっと回答に使えそう。

そんなワクワク感があると、残り2週、もっと別な事例を写経してみたくなるかも。ではまとめ。

・この試験、実は難しくないかも?そう感じるきっかけの一つが写経。
・試験テクニック上イカサマでも、実務で使うスキルであれば活用OK。
・出題傾向が変われど、「バラまかれた根拠を的確に整理」。「Ⅱ」の本質は不変。
・なんだか面白そう。では俺もやってみようか。
byふうじん
オープンイノベーションでミライを変える。

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by dojonagoya | 2016-10-06 05:27 | 中小企業診断士試験

中小企業診断士一発合格道場からスピンアウトした6代目とその仲間たちのブログです。


by 中小企業診断士一発合格道場 6代目