2016年 11月 21日
【財務・会計】スピテキ斜め読み#5 証券投資論
③次の世代が何とかしてくれるさ
ブログA 55点
「一発合格」を名乗る傍ら、一発合格道場多年度生向きなど意味不明の刺客記事が混じって混沌。
逸材を複数抱えつつ、最後まであきらめない!の一言で足を引っ張る組織不全により今年も赤点。
ブログB 採点不能
「私達のノウハウで受験生から対価を頂戴します」を日本で唯一公言し、500円単位で夢を実現。
納税してGDPに貢献できれば本望ながら、受験生に上から目線で見られる様では前途多難。
ブログC 70点
再現答案本出版が本業でブログはおまけ。可もなく不可もない「ほっこりさ」が特長ながら、2016年は「不合格になる理由」に挑む意欲を示して前進。定員制で狭き門だが一番の成長株。
■重要度ミシュラン~#5日目■
回 | 章 | 論点 | 評価 | 一言で |
#5 | 7証券投資論 | 個別証券のリターンとリスク | ★☆☆ | |
ポートフォリオのリターンとリスク | ★☆☆ | |||
共分散と相関係数 | ★☆☆ | |||
CAPM | ★★★ | |||
デリバティブ | ★★★ |
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第7章ファイナンスⅡ(証券投資論) | ||
❶個別証券のリターンとリスク | ||
1証券投資論の基礎 | ||
1資本市場の考え方 | B | |
2投資対象の考え方 | B | |
2個別証券(危険資産)のリターン | S | |
3個別証券(危険資産)のリスク | ☆超重要 | S |
4リスク回避的投 | B | |
❷ポートフォリオのリターンとリスク | ||
1ポートフォリオのリターンとリスク | ☆超重要 | S |
2効率的ポートフォリオ | S | |
❸共分散と相関係数 | ||
1共分散 | S | |
2相関係数 | S | |
3相関係数とポートフォリオ効果 | S | |
❹CAPM | ||
1安全資産を含む効率的フロンティア | A | |
2CAPM | ☆超重要 | S |
❺デリバティブ | ||
1先渡取引と先物取引 | B | |
2為替先物予約 | ||
1為替先物予約 | ||
(1)ドル買い・円売り | S | |
(2)ドル売り・円買い | S | |
2為替先物予約損益と直物損益を 合わせたネットの損益 | B | |
3オプション取引 | ||
1オプション取引の意義 | ||
(1)コールオプション | S | |
(2)プットオプション | S | |
2通貨オプション | A | |
4スワップ取引 | ||
1金利スワップの意義 | B | |
2通貨スワップの意義 | C |
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■本題:一言メモ例~#5日目■
テキストは頭から順に読む。復習時は大事な所から飛ばし読む。
そこで当メモは、全ての論点順でなく、S→A→B→Cの順にまとめて掲載。
Sがなぜ重要・頻出か。B・C論点とは何者か?
□S論点 頻出+理解=2次論点□
S論点とは「2次」でも問われる、つまり理解して使いこなす知識。しょっちゅう出てきて自然に覚え、覚えた後から理解に進む。
2個別証券(危険資産)のリターン
→証券投資論では、「ハイリスクハイリターン」の根拠をまず学ぶ。ところでリターン=期待収益率。期待収益率=3つのシナリオでの収益率の期待値。診断士試験のあちこちで頻出する「期待値計算」はここでがっちり学ぶ。
3個別証券(危険資産)のリスク ☆超重要
→証券投資論では、リスク=危険と訳さず、「ブレ、ばらつき」と訳す。理屈は後で良いので、
期待値計算→偏差→偏差2乗→更に期待値計算→√で戻して標準偏差
この手順を何度も計算して体得。おまけで以下を理解。
①3シナリオの収益率がばらつくほど、標準偏差が大。
②標準偏差の大小で、どれほどばらつくか=リスクを一目で比較可能。
③二乗して√で割るのは、偏差が±になる影響を避けるため。
1ポートフォリオのリターンとリスク ☆超重要
→ポートフォリオ理論とは、複数証券の組み合わせでリスクを下げ、リターンを上げること。その初歩を学ぶため、△複数証券でなく、○2証券に絞って考える。騙されたと思い、テキストの指示通りにポートフォリオの期待収益率(リターン)・標準偏差(リスク)を計算。2証券を組み合わせると、
標準偏差(リスク)を下げ、そこそこの期待収益率(リターン)が狙える。
ここを理屈で納得するか、単に暗記で通過するか。その数字に対するセンス(感度)がファイナンス学習の岐路。
2効率的ポートフォリオ
→グラフ見るより、エクセル自力で計算して納得。自分なりのストーリー仕立てで理解すると、一生忘れない。
・P.182の例で、A証券はハイリスク・ハイリターン。
・B証券の組み入れ比率を増やすと、リターン・リスクが両方下がる。
・リスク下降が底を打ち、リターンが下がりリスク上昇に転じる。
・ハイリスクローリターンは魅力なく、その組み合わせは採用しない。
1共分散
2相関係数
→2証券でポートフォリオを組むなら、極力逆の動きをするA+B証券を選ぶ。その理屈の説明が共分散と相関係数。A、B証券の偏差を掛けた加重平均で求め、逆の動きをするほど値がマイナス。共分散と相関係数ρとは、
値マイナス→リスクが下がって一定リターン→メシウマ
電卓必須な計算問題は出ない。だから理屈がわかれば良く、もし迷っても他論点に被害はないので気にしない。
3相関係数とポートフォリオ効果
→計算問題は出ない。相関係数は最大1→最小マイナス1。最小になるほどローリスク→メシウマ、程度のイメージでOK。
2CAPM ☆超重要 Capital asset pricing model
→証券に求められるリターンは、β(市場全体と比べた当該証券のリスクの尺度)に比例。使い道としては、企業価値評価に使う割引率の決定。試験対策としては、y=ax+bの一次方程式で解く。
(1)ドル買い・円売りの先物為替予約
(2)ドル売り・円買いの先物為替予約
→輸出入企業が持つドル建て売掛金・買掛金は、為替の動きで利益変動(リスク)。そこで手数料払って決済レートを先に決めるのが為替予約。輸入企業(例:石油)はドルを買い、輸出企業(例:自動車)はドルを売る。
(1)コールオプション
(2)プットオプション
→為替に加え、原油や株式など様々なものを将来一定価格で取引する権利が売買。断士対策上は、「儲けるためでなくリスクを下げるため」「売り手でなく買い手」。理屈より図でイメージすると一旦忘れない。
2通貨オプション
→診断士なら中小の製造業相手→売掛金で将来ドルが入金→「ドル建てのプットオプションを購入」でFA。
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□A論点~頻出+暗記□
A論点とは、1次「財務」で問われるが「事例Ⅳ」では使わない知識。問題を解き直し、答え方を思い出せればそれで良し。
1安全資産を含む効率的フロンティア
→CAPMを説明する一歩手前の知識。読み物程度
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□B論点~理解論点□
B論点とは主に基礎知識。1次「財務」でもあまり問われず、「事例Ⅳ」には出てこない。過去問題数が少ないので、講義で何を言っていたか理解メモを残さないと、得点にならない。
1資本市場の考え方
→資本市場では、売り手⇔買い手が交渉し、最適な価格で取引が成立。「経済」で教わるのでここはさらっと流す。
2投資対象の考え方
→証券投資の対象は、安全資産(ノーリスクローリターン⇔危険資産(ハイリスクハイリターン)の組み合わせ。この組み合わせの妙をこの章で学ぶ。
4リスク回避的投資家
→診断士試験上は、「投資家はリスクを嫌う」。詳しくは「経済」で学ぶ。
1先渡取引と先物取引
→先物取引は良く聞くが、先渡取引はあまり聞かない。用語程度。出ない。
2為替先物予約による損益と直物による損益を合わせたネットの損益
→先物取引による損益をどう記帳するかの簿記論点。出ない。
1金利スワップの意義
→変動金利のリスクが嫌なとき、手数料を払って固定金利に変えることができる。でも出ない。
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□C論点~おまけ論点□
C論点とは、過去出題があったため営業上収録されたり、逆にBS項目にあるが「財務」「Ⅳ」では出題されない知識。追い掛けたらキリがないので、過去問で出た所だけ押さえる。
2通貨スワップの意義
→国際金融の世界では、異通貨の債券債務を取り換えっこすると何かイイコトが起きる。でも出ない。
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■今日のまとめ■
診断士のファイナンス、今日の#5は超簡単。
なぜ簡単かといえば、
- ファイナンス全体でなく、コーポレートファイナンス(資金調達)の教育が主眼。
- 資金調達のゴールは最適資本構成(MM理論)。その手前として株主資本コスト。
- 株主資本コスト>負債コストになる説明として、個別証券のリスク・リターン。
- 逆に投資側の知識として、ポートフォリオやデリバティブ。また株式指標。
これら知識を、一筆書きの如く簡単明瞭に示してくれるのが診断士「財務」過去問。ファイナンスは過去問解いてスラスラ理解。まさか毎日コツコツやる奴はいないけど、穴熊の如く一つ覚えに持久戦ばかり選んでいると、こんな所でもタイムロス。ではまとめ。
・テキスト並び順が秀逸。個別証券→ポートフォリオ→CAPM→WACCと、立て板に水。
・過去問の問い方も秀逸。企業価値→WACC→株式価値→CAPMと、逆順に立て板に水。
・以上、ファイナンスは理解しやすい。ここで養うスピード感でスト合格に一直線。